皆様こんにちわ!
今回は、社内でアジア水槽を立ち上げましたので報告。
その詳細の解説を水質目線でやっていきたいと思います!
写真はセラの水槽での水質管理表です。
水質を測る事によって、
1,どのくらいの期間で何が起こるのか
2,どのような対処が必要なのか
明確になりますので便利ですよ!
それでは・・・
いきなり水質に入ってしまうので「難しい」と思う方は、記事の最後まで飛ばして下さいね♪
(セラとしては学んで頂きたいのが本音ですが・・・)
■水槽情報
サイズ:横幅80cm ✕ 奥行30cm✕高さ40cm
総水量:約100L
ろ過材:シポラックス1000ml✕2箱分、フィルターウール、フォスベックグラニュレイト
照 明:他社メーカー様のメタルハライドランプ
底 砂:フロレグランド、大磯
フィルター:他社メーカー様の外部フィルター
それではスタート!!
アジア水槽の目標とする数値
(この数値を維持できればOK)
pH値(ペーハー):7~8
KH値(アルカリ度):6~10
gH値(総硬度):8~16
NH4/NH3(アンモニア):0mg/L
NO2(亜硝酸):0mg/L
NO3(硝酸塩):0mg/L
CO2(二酸化炭素):10~60mg/L
PO4(リン酸塩):0.5mg/L以下
Fe(鉄分):0.5mg/L
その他水質の数値は臨時測定としますので、今回は気にしません!
立ち上げ直後からの解説に入ります♪
立ち上げ直後の水質
pH値(ペーハー):8.0
KH値(アルカリ度):2°
gH値(総硬度):4°
NH4/NH3(アンモニア):0mg/L
NO2(亜硝酸):0mg/L
NO3(硝酸塩):0mg/L
CO2(二酸化炭素):10mg/L以下
PO4(リン酸塩):2.0mg/L以上
※希釈しての細かい測定はしませんでした
Fe(鉄分):0mg/L
※赤文字は調整したい項目です
当然ちゃ、当然ですが。。。
特にPO4以外の有害な物質は「0」安心です。
基本の水質pH値とkH値とgH値は微調整が必要です。
当然、Feが低すぎました。
■PO4の調整
PO4は、生物ろ過によって分解される物質ではありません。
フィルター内部に入れたフォスベックグラニュレイトで吸着させます。
1箱/500gで12500mgの吸着できるので、様子見でいきましょう。
(例:測定値 2.0mg/L✕総水量 100L=リン酸 200mg)
■pH値の調整
pH値が思ったより高く、7.5まで少し下げたい状態です。
■kH値の調整
KH値は低く、KH値は6~8まで上げたい状態です。
■gH値の調整
gH値も低く、gH値は12~16まで上げたい状態です。
さて、pHとkHとgHは、総合的に考えなければなりません。
kHとgHを上げるとpH値は上昇傾向に向かうからです。
でも、
目的の数値は、kHとgHを上げて、pH値は下げたい!!!
矛盾が生じます。
ひとまず、KH値とgH値を上げる作業をします。
gH値を上げるためにミネラルソルトを20gほど入れました。
gH値の上昇とともに、自然とkH値も上がる方向へ向かいます。
ここで問題は「pH値が上がってしまう可能性」です。
ですので、上昇を抑えるために pH/KHマイナスを5ml追加。
↑これらは、KHを上げて、KHを下げるみたな矛盾が起きますよね。しかし製品の説明通りの使用量を守っておけば効果はでます。今回はpHを下げ、安定させる事を目的としました。
■Fe値の調整
少ないFeもプラスして上げて行きます。
フロレナを20ml入れて様子見です。
鉄分補給のフロレシリーズ②のフェロだけでも良かったのですが総合的な栄養素の補給をしたかったのでフロレナにしました。
水草のために、別途フロレネッテを入れ、根張り促進しています。
■汚染物質の上昇について
その他の有害物質(NH4/NH3、NO2、NO3)とされている物質は様子見ですが「立ち上げ」と言う事で、このあたりの物質の変化を見たいと思います。正直、こちらがろ過されている事が確認出来れば「立ち上げ」が完了となりますが。。。
バイオニトリベックを使用することで「立ち上げ作業」と言われる工程が24時間後に完了しますので、まず心配がないでしょう。
バクテリアをスタート時から補うことで、一般的な立ち上げ期間を短縮し、安全に初日から魚を飼育する事が出来ます。
ろ過材のシポラックスには バイオスタートを添加し、さらにバイオニトリベックを水槽に入れました。
数日経過・・・・
立ち上げから3日目の数値
pH値(ペーハー):7.5
KH値(アルカリ度):6°
gH値(総硬度):10°
NH4/NH3(アンモニア):0mg/L
NO2(亜硝酸):0mg/L
NO3(硝酸塩):0mg/L
CO2(二酸化炭素):10mg/L以下
PO4(リン酸塩):0.25mg/L
Fe(鉄分): 0.25mg/L
3日目の解説
これで全て目標範囲内の水質になりました!
PO4も数日間でかなり吸着されたようです。
pH値とkH値とgH値も目標範囲に調整出来ました。
セラ的調整では・・・
立ち上げ時に、勿論、アンモニアも気にしますが!!
先ずは、pH値とkH値とgH値の調整となります。
そして、PO4やFeの調整など
これらは、飼育する生き物の種類によって数値が異なり、最初に調整しなければならない基本の水質です。
当然、数日経過すると発生する、アンモニアや亜硝酸、硝酸塩のモニタリングを行うために、暫くは水質検査が欠かせません。
■CO2の調整
CO2はやや不足気味です。
pHとの兼ね合いも考えると必然的にそうなっていくかなと思います。
二酸化炭素の供給には、CO2スタートを使用し、CO2タブズプラスを1日1錠で使っています。
これは水草の育成と水質を維持する大切な役目があります。
これからは、3日か4日くらいのスパンで測定し、足りない物質は補い、有害物質は除去していきます。
おおよそ1ヶ月程で、水槽の状況がわかってきますので、その後は定期的に測定して、調節するだけです♪
ごたごたごたごた・・・・
最後に、今回のポイント!
①目標数値を定める!
②1つの水質に捕らわれず、他の物質との関わりも考える!
③問題がなくても計測は続けるべし!
こんな感じでしょうか。
特に③は慣れてしまえば、本当に後が楽です。
例えば、水換えのタイミングで調べた量を毎回入れるだけ・・・測定も必要最低限で、ほとんどしなくてもOKな水槽にもなれます。
アクアリウムは感覚でやると失敗します。
蓄積された、ご自身のデータや現状の数値に向き合う事が大切です。