一般的には異なる種類の魚が同じ水槽内で一緒に飼育されます。その為、飼育する魚たちが生活していた自然環境を学ぶことがとても重要です。一緒に飼育が可能な種類や魚の好む水質を把握することがとても大切です。このガイドでは、淡水水槽を始めるための基本をアドバイスします。 魚たちはそれぞれ独自の特徴を持っています。その為、自然界ですべての生物が仲良く共存している訳ではありません。アクアリウムでは、飼育するそれぞれの魚が調和するように縄張りや習性、睡眠や食性などを考慮しなければなりません。仮に、1種類の魚を1匹だけ飼育する場合は、1匹で飼育する事が本当に最適であるのか考えなければなりません。自然界の生き物たちは、単独1匹だけで生存していることは有りえないからです。 |
淡水魚のアクアリウムは、暖かい水で飼育する熱帯性淡水魚とやや冷たい水で飼育する冷淡水魚に分かれます。さらに、生息地の違いからいくつかのグループに分かれます。 このガイドでは、代表的な「南米のアクアリウム」「中米のアクアリウム」「アジアのアクアリウム」「金魚のアクアリウム」に分けてご紹介します。その他にもアフリカンシクリッドを観賞する東アフリカ湖のアクアリウムや庭池で楽しむ鯉のアクアリウムなどがあります。各アクアリウムの水槽には同じ原産地の魚と水草を入れることをお勧めします。 |
南米のビオトープアクアリウムは、地球上の大きな川であるアマゾン川の再現です。南アメリカのアマゾン川には、多くのカラフルな熱帯魚が多数生息しています。大きな特徴は緑豊かな水草を育てる事です。生息環境に合わせて石や流木を飾り付けることも大切です。水質は弱酸性の軟水に調整してください。
南米に生息するカラシンの仲間は水槽の中層を好みます。グループ飼育が望ましく、数が多ければ多いほど本来の美しさが際立ちます。シクリッドの仲間はとても興味深い習性を持っています。シクリッドの中でも、エンゼルフィッシュやドワーフシクリッドなどが初心者向きです。
コミュニティ水槽では上層を泳ぐ魚たち以外の中層魚や低層魚にも餌がきちんと行き渡るように注意が必要です。低層魚のコリドラスの仲間は群れで生活をする魚のため、1種類につき最低でも4匹以上で飼育することをお勧めします。また、コリドラスは1日中低層で餌を探し良く餌を食べるため、残飯掃除ほどの少量の食事では栄養が足りません。他の魚同様にバランスの取れた給餌をしてください。
中米のビオトープアクアリウムは、流れの緩やかな透き通った水景の再現です。活発でカラフルなライブベアリングの魚(グッピーやプラティ)などが生息しています。これらのライブベアリングの魚を飼育する水槽では、稚魚の生まれる様が時折見つけることが出来ます。水質は中性から弱アルカリ性に調整してください。
ライブベアリングの仲間は、初心者から上級者までお勧めの種類です。これらの種類は比較的おとなしく、水槽の上層を活発に泳ぎます。これら卵胎生メダカは体内で卵を孵化させ、生まれた時にはすでに魚の稚魚として泳ぎだします。非常に繁殖力が高く水槽内でも比較的容易に繁殖を楽しむことができます。
基本的には、植物性の餌や色揚げ効果の高い餌がお勧めです。産卵前や産卵後の栄養補給には、seraフィッシュタミンを直接餌に添加して親魚の健康を高めて下さい。また、生まれた稚魚にはパウダー状のseraミクロンにseraフィッシュタミンを添加して練り込んだものを与えて下さい。オキアミとスピルリナ藻で作られたseraミクロンにビタミンを強化することで、あらゆる稚魚の育成に最適なベビーフードになります。
アジアのビオトープアクアリウムは、溶存酸素量の比較的少ないアジアの緩やかな河川や池や沼の再現です。これらの水域には、ラビリンス器官を持つ色鮮やかな魚(ベタやドワーフグラミー)などが生息しています。これらの魚は、他の魚には見られない水面での酸素呼吸を行います。水質は中性から弱アルカリ性に調整してください。
アナバスの仲間は水草の多く茂った環境を好みます。とても穏やかで他の魚にほとんど危害を加えません。アナバス属の魚は、名前の由来である迷宮器官(ラビリンス)を持っています。そのため水面で空気を吸い呼吸するが出来ます。ベタの仲間もこれらアナバスの仲間です。そのため簡易的なビンでも生かすことは可能ですが、水槽での正しい飼育をお勧めします。
和金などの体形が細長く活発に泳ぐ金魚と琉金やオランダシシガシラなどの丸みを帯びた体形の金魚は、別々の水槽で飼育することをお勧めします。また、水槽には大磯砂などの砂利を敷き入れ食害にあわない種類の水草を植えて下さい。水草を植えることで水質浄化サイクルを水槽内に取り込むことが出来ます。
金魚鉢などの簡易的な水槽では、魚を健康的に飼育することは出来ません。魚は体の横にある側線から水圧や水流を感知します。魚が動くことで球体のガラス面に波紋が反射し魚にストレスを与えることになります。また、過剰なエアレーションの「ブクブク」もストレスになりますので好ましくはありません。
また、金魚には良質な専用フードを与えて下さい。金魚の胃は、腸と同じような構造になっている為に、過剰なタンパク質を消化することが出来ません。その為、金魚は熱帯魚と異なりタンパク質よりも消化の良い炭水化物が必要です。過剰なタンパク質の給餌は水質の汚染を招き、様々な健康被害を引き起こします。そして、金魚に適した栄養を与えないと色褪せの原因になります。
金魚水槽には豊かな緑が欠かせません。水草は単に見た目の装飾という事ではなく、飼育水に溶け込んでいる有害物質の除去や酸素生成という大切な役割を担っています。しかし、金魚は水草を食害するのでアヌビアスのような固い葉の水草を選んでください。稚魚の育成水槽には、成長の早いマツモ、アマゾンチドメグサ、アナカリスなどがお勧めです。マツモのような生長の早い水草は、水中に十分な酸素を供給し苔の原因となる硝酸塩を吸収します。
アフリカンシクリッドと呼ばれる種類の魚たちは、アフリカ大陸のタンガニイカ湖やマラウィ湖などのアルカリ性の高い湖に生息している為、飼育水をアルカリ性に調整しなければなりません。これらの魚たちは汽水魚とは異なるため、薄い塩水(海水)で飼育する訳ではありません。seraミネラルソルトを使用して最適な硬度の水質に調整して下さい。 |
大きく育つ鯉は庭池での飼育をお勧めします。sera コイ プロフェッショナルシリーズは、季節によって必要な栄養素が変化する池の鯉に合わせて「春/秋用」「夏用」「冬用」に分かれています。植物性栄養強化の「スピルリナ」は、色揚げ効果や健康維持に最適です。 |
飼育する生き物が決定したら、いよいよ水槽の準備です。飼育する魚たちの喜ぶ環境をイメージしながら水槽を作成してください。水槽の設置と立ち上げ方について詳しくは、「Movie-水槽の設置方法」の動画や「水槽のセッティング-5steps」をご覧ください。
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アクアリウムを維持する上で、定期的なメンテナンスは不可欠です。必ず、汚れる前に綺麗にすることを心がけて下さい。また、魚たちの飼育環境(水質)や健康状態のチェックをしてください。 |