背面ろ過式のアクリル水槽
東京都立小山台高等学校へ、特注の水槽をご納品して来ました。
水槽を設置して、メンテナンスの方法を生徒さん達へ伝えました(^^)/
先日行った「生物理科講義実習」の様子はこちらをご覧ください!
今回は、海水魚飼育の特注水槽の全貌をご紹介致します。
教育現場と言うコンセプトから、異例ずくめの水槽をご提案しました。
あまり知られていない「背面ろ過式」
実は、セラ社では水槽の内部に濾過槽が組み込まれている水槽があります。日本では馴染みがありませんが、給排水のパイプも無く、設置が楽で、メンテナンス時の水こぼしのリスクも軽減出来ます。飼育スペースは限られますが、非常に理にかなったお勧めの仕様です!
■全体の写真
水槽サイズ:幅90cm×奥行45cm×高さ45cm
水槽総水量:約180L
水槽素材:アクリル製
水槽仕様:濾過槽一体型
飼育生物:海洋生物
じゃじゃーん♪
★背面ろ過水槽の大きなポイント
①ろ過スペースはコンパクト
②アクリル製で軽量化
③アクリル製で割れ難い
④停電時の水漏れ対策
⑤透明仕様で、ろ過の仕組みが学べる
⑥ろ材の汚れ具合が即座に確認可能
⑦台に置くだけで簡単設置
⑧外部クーラーへ簡単接続
⑨ろ過材のメンテナンス性を向上
⑩塩だれ(塩結晶)を極力防止
■真横の写真
真横から見るとこんな感じ。
飼育スペースとろ過スペースが一つの水槽内で完了しています。
こんなに小スペースで、ろ過が出来るのです!
その秘密はセラのろ過材
「シポラックス」にあり。
少量でも大きなろ過面積を保有するため、ろ過能力が高い訳です。
この水槽には、シポラックス1000mlが2箱分設置されています。通常の使用量は200Lに対して1000ml分のシポラックスですが、今回は海水魚を飼育予定との事で、余裕を持ちました。(水槽容量は約180L)
シポラックスを使用することで、大きな大きな濾過槽(オーバーフロー式等)は必要ありません。
■濾過槽の写真
ろ過層は2層式の循環ろ過システムです。
写真左側から順番にろ過層へ水が流れて行きます。
★基本である水の循環
物理ろ過(フィルターウール)
↓
調整ろ過(フォスベックグラニュレイト)
↓
生物ろ過(シポラックス)
1層目では、大きな汚れを取り除くフィルターウールを設置
その次には、飼育水のリン酸を除去するフォスベックグラニュレイトを設置できます。
この1層目は、カスタム可能でスーパーカーボンやシポラックスの追加も可能です。
そして、写真右側のポンプで循環していきます。
■背面ポンプ室の写真
水の循環はシンプルにポンプアップ式です。
循環は2つに分岐し、クーラー用とメイン循環用に分かれています。
水槽背面に穴をあけ、側面からクーラーへ水が送られます。片側からクーラーへ行き、片側から冷やされた飼育水がろ過室へ戻ります。この仕様によって、上部は蓋で密閉できます。
更に、流量はバブルによって調節可能です。
後のメンテナンスを考慮して、各パーツは分解できるよう接着は一部のみ行いました。
■設置後の写真(校内生物室)
オーバーフローではないので、設置場所を選びません。
また、外部フィルターを使用しないため、水槽周りが綺麗です。
何気に、黄色い精密温度計が目立ちます。
全て、透明のアクリル仕様のため、学習に最適~(*´▽`*)
■人工海水投入後の写真
クーラーの接続後、人工海水を溶かし、白濁しております。
数日後、近海で採取した「メジナ」の飼育が始まりました。
学生の皆さん!!!飼育頑張れ!!
■メジナさん動画はコチラ↓
ガラスに張り付くオーニップNatureも食べてくれました。
当然、オキアミのFDクリルは、バクバクよく食べます。
※水槽の白濁はマリンバイオリーフクリアー投入後の様子です
——–まとめ——-
セラジャパンの業務は、水槽の制作がメインではありません。
飼育アドバイスや飼育用品を販売しています。
今回は学校から「学生達が学べる」「継続して飼育可能な設備」そして何より「安全性の高い水槽」とのご依頼でした。
ご希望を満たすためには水槽や設備だけでは叶いません!
飼育の手順や管理方法、様々な角度から学ぶことが大切です。
若い学生の皆様がアクアリウムを通じ、何を感じ、何を学ぶのか
微力ですが多少でもお手伝い出来、勉強になりました。
小山台高校の関係者の皆様へ、心より感謝申し上げます。