さて、今回は「gH」について解説していきます!
先ず、gHがよく分からない方は下記リンク記事をご覧ください。
目次
【動画紹介】誰も教えないgH値の考え方
水道水と飼育水のgH測定
gH値:10°dGHの測定色変化
gH値:0°dGHの測定色変化
ミネラルソルトの使用方法
使用例、60L水槽のgH値を5°上昇させる
どうする?弱酸性アクアリウム
gH(総硬度)の必要性
熱帯魚はそれぞれに生息している場所(地域)が異なります。淡水であったり、海水であったり、そして、温かい場所や冷たい場所など様々です。そして、1つのお水の質であるpH値も異なります。
異なる水の例として、
日本の川は<淡水><冷たい><pH値7>
アマゾン川<淡水><温かい><pH値6>
ハワイの海<海水><温かい><pH値8>
このように、同じ水ですが性質が異なる事が分かります。
そして、もう1つ気にして欲しいお水の質にgHがあります。
gHは総硬度と呼ばれ、水に含まれるミネラルによって硬水とか軟水と言われる項目です。実は硬度(gH)もそれぞれに異なっています。
例として、
日本の川は<gH値:中>
アマゾン川<gH値:低>
ハワイの海<gH値:超高い>
自然の河川や沼などは、地層や鉱物などからミネラルが溶けだし、ミネラルを含むミネラルウォーターであることを念頭においてください。日本の水道水で飼育を行うとミネラル不足になるケースが多く見受けられます。さらに、多くの観賞魚の飼育水としては日本の水道水のミネラル量では足りず、硬度が低すぎる場合が御座います。
自然の水はミネラルウォーターですよ!
飼育水もミネラルウォーターにするべき!!
【動画紹介】誰も教えないgH値の考え方
gH値の確認
【注意】gH値を測定するアクアリウムは淡水アクアリウムだけです。海水はミネラルが高すぎてgH値の測定は非現実的です。
gH値の測定には、sera gHテストを使用すれば簡単に調べることが出来ます。先ずは、水道水のgH値を測定してみて下さい。次に、水槽の飼育水を測定し、比べてみましょう。
水道水と飼育水のgH測定
飼育環境によって、飼育水のgH値が水道水よりも低い場合と高い場合があります。水道水と飼育水を比べることで、自身の水槽がgH値を上昇させているのか?下降させているのか?知る事ができます。
次に、飼育している生き物やこれから飼育する生き物が生息していた水域のgH値を調べてください。
例として
水道水のgH値:6、飼育水のgH値:2、生息地のgH値:8の場合
上記の場合、水槽の何かがgH値を下げています。そして、gH値を8°まで上昇させなければなりません。
gHテストの色変化
飼育水を試験管に5ml汲み取り、試薬を1滴つづ滴下します。
赤茶色から、黄緑色に変化するまでの滴下数をカウントします。
gH値:10°dGHの測定色変化
1滴目は薄いピンクに変化します。3滴目でオレンジ、7滴目で赤ぽくなり、10滴目で緑色に変わりました。色が赤系から緑系に変わった滴下数がgH値になりますので「10°dGH」となります。
gH値:0°dGHの測定色変化
硬度を含まない純粋(アクアゼスト)での測定です。1滴目で薄い緑、2滴目でやや濃くなりました。赤系のピンク色にすらなりません。この場合は、gH値は0°dGHという判断になります。
※以前のgHテストは色判断が分かり難かったのですが、近年のgHテストは改良され、とても分かりやすくなりました。
gH値の上げ方
多くのアクアリウムではミネラル不足が起こります。ミネラルを補充する為にはgH値を測定し、不足分を補わなければなりません。
gH値を上昇させるためには、ミネラルソルトを添加すれば簡単にgH値を上げることが出来ます。
ミネラルソルトの使用方法<基本の量>
100リットルの水に対して、ティースプーン一杯(5g)を加えた場合、それぞれの値は以下の分だけ上昇します。
<Ca値: 7.8mg / L>
<Mg値: 1.5mg / L>
<gH値: 1.3°dGH>
<kH値: 0.6°dkH>
分かり難いですよね( ;∀;)
計算は得意でしょうか??
それでは、実例でミネラルソルトの使用量計算式をご紹介。
ご自分の水槽の水量を当てはめて計算してみて下さいね。
でわ!例として、60L水槽のgH値を5°上昇させる為のミネラルソルトの使用量を計算してみましょう!
大幅に数値を上昇させる場合は、2~3週掛けて2~3回の調整を行い、徐々に調整することをお勧めします。生き物は急激な水質変化を望みません。
gHとpHの関係
アクアリウムで飼育する熱帯魚の中には、南米のアマゾン川に生息している魚が多く存在します。南米アマゾン川は、上流や下流、雨季乾期、分流などによって多少水質は異なりますが、多くの水域は褐色の軟水でpH値が低い傾向にあります。その為、多くのアクアリストはpH値を下げるためにgH値を極めて無くす方向へ向かいます。また、水草主体のアクアリウムにおいても、同様に硬度を下げる手法を取り入れる方が大半です。
当然、硬度を下げることでpH値が下げやすく、多くの水草育成には多くの利点が発生します。しかし、ここで重要な事は「硬度を下げるのか!」「硬度を無くすのか!」と言う事です。
gH値が「低い!」と「無い!」は大きく異なります。
gH値はミネラルの為、著しく高い数値の場合、お水の性質は当然アルカリ性に向かいやすくなります。pH値7以上のアルカリ性の飼育水を好むアフリカンシクリッドやグッピー、金魚や海水などはgH値を高くしながら、pH値がアルカリ性に向かってOKなアクアリウムです。
しかし、問題となるのが・・・
どうする?弱酸性アクアリウム
弱酸性を好む熱帯魚(ネオンテトラ・ディスカス・エンゼル・アピスト)や水草水槽です。pH値を低く維持したいため、安易にgH値を無くすアクアリウムを取り入れがちです。
gH値を無くせば「pHは酸性になる!」
↑↑
これ間違いです!!!!!!
gH値を無くせば「pH値は酸性に調整し易くなる」が正しいアクアリウムでの見解です。アクアリウムでは、必ずしも酸性になる訳ではありません。
少々、難しい話になりますが・・・
gH無し→kH無し・・・となり
水質の安定は出来ません。
gH値はミネラルです!!!!
pH値だけに捕らわれていては、健全な飼育水を見失います。
お水に含まれるミネラルは、生き物にとってとても大切な要因です。ミネラル不足は観賞魚の欠乏症を引き起こし、頭部の陥没や鱗や鰭の再生不全につながります。水草も不健康な状態で育ちます。
まとめ
水槽飼育のアクアリムでは、知らず知らずのうちにミネラル欠損の飼育水になりがちです。(ミネラル吸着商品も多く販売されていますし・・・)自然界ではミネラルの少ない軟水水域は存在しますが、ミネラル無しの天然水は存在しません。少なくとも、水道水が軟水の日本で楽しむアクアリウムでは、ミネラル調整のgH値の調整が必須ということをご理解ください。
1,飼育する生き物に最適なgH値に合わせましょう。
観賞魚はそれぞれ異なった水質を好みます。
魚種に合わせた硬度調整が大切です。
2,全てのアクアリウムにはミネラルが必要です。
ミネラル不足は、水質変動に関与します。
ミネラル不足は、生き物の成長に障害をきたします。