アクアリウムのろ過を考えよう

2023.8.10

 

水槽でお魚を飼うためには・・・

水槽の他に、色々な飼育機材が必要になります。

今回はろ過材とろ過装置について解説していきます。

 

さて、ろ過装置は水槽セットに始めからセットされている場合もありますが、別途購入しなければならない事もあります。多くの場合、小型水槽用とか100~200L対応などの表記を参考に購入する方が多いと思います。

 

でも、何故か上手く飼育が出来ない現実に頭を悩ませます。

今回の記事が、悩んでいる方のヒントになれば嬉しいです(*´▽`*)

 

 

<目次>
自然界のろ過とは?
微生物(バクテリア)の重要性
最適なろ過の順番
ろ過の手順とメンテナンス
不適切なろ過が及ぼすデメリット
まとめ

 


 

◆自然界のろ過とは?

アクアリウムを始めるうえで重要な事は、自然を学び、見習うことです。
先ずは、自然界で循環している水について考えてみましょう。

 

雨は地表に降り注ぎ、いく層に分かれた地層を通過しながら地下へ浸透します。雨水は「地層を通過する過程」=「ろ過」されています。雨水は、土や砂にろ過されながら不純物が濾しとられながら地下へと浸透していきます。さらに、地層を通過する過程で地層の砂や岩、土や泥などの影響を受けてミネラル成分を含み、ミネラルを含んだ地下水になります。このミネラルの含有量は、雨の降り注いだ地域の地層に大きく左右されますが、天然の地下水の多くがミネラルウォーターであることをご理解ください。

そして、地下水は湧き水となり、川や湖に注がれます。

 

自然の水はミネラルウォーター

 

次に、川や湖に生息している生物が排泄した有害物の浄化システムを考えてみましょう。

 

魚は水中に生息している、小さな昆虫や魚、エビやカニなどの無脊椎動物、植物や苔などの藻類を食しています。当然、体内に取り込んだ食物は消化され排泄物として水中に放出されます。排泄物は、底砂や土中に存在する微生物(バクテリア)によって「無害な物質へと変化」=「ろ過」されています。

これら、土中に存在するバクテリアによって、有害な排泄物は無害な物質へ変換され水質が汚染される事無く、魚は健やかに成長しています。

 

バクテリアが水を綺麗にする

 

自然界で行われている「ろ過」は大きく分けて2つあることが分かりました。

1つ目は、「雨水が綺麗でミネラルを含む地下水に浄化するためのろ過」です。

2つ目は、「生き物の排泄物を無害に浄化する為のろ過」です。

自然界で行われている2つの「浄化サイクル」をアクアリウムで再現する事が上手な飼育方法に結びつきます。

 

1,ミネラルを含む綺麗で透き通った原水生成のろ過
2,魚の排泄する有害物質をバクテリアによって無害化するろ過

 

しかし、一般的にアクアリウムで議論されるろ過は「魚の排泄する有害物質を無害化する」に偏ります。理由としては、魚の排泄する有害物は生き物の生死に直結し、しかも、飼育した日からリスクと向き合う事になるからです。また、水槽の水が白濁したり、飼育水が臭くなる、魚が病気になる、上手く飼育できない、酸欠になる、エサを食べない等のケースは、排泄物のろ過不足に関係している場合がありますので特に注意しましょう。

 

今回は「魚の排泄する有害物質を無害化するろ過」について掘り下げていきます。「ミネラルを含む綺麗で透き通った原水生成のろ過」については、またの機会に解説していきます。

 

 

◆微生物(バクテリア)の重要性
魚の排泄物を浄化する微生物(バクテリア)は底砂や土中に存在します。同様の底砂や底土を再現する為には、広大な面積と深さが必要です。水槽の底砂を少々厚くした程度では、スペースが足りず、自然の浄化サイクルを再現する事が出来ません。その為、水槽とは別にろ過槽を準備して、ろ過槽内でバクテリアの増殖環境を作り出し、微生物(バクテリア)によって飼育水を浄化します。

 

自然界の微生物(バクテリア)は、1Lあたり270㎡の堆積物中がもっとも有効的に働くことが分かっています。よって、ろ過槽内に1L当たり270㎡の堆積物をセットすることが望ましいことになります。

 

少し補足すると・・・

1Lは、1000ml=1000cc=1000㎤です。

10cm✕10cm✕10cmの立方体に満タン収容したろ過材の総表面積が270㎡となるろ過材が最適という事です。

 

1L当たり、270㎡が最適条件

 

ドイツの研究では、1L当たり270㎡が最適であり、それ以下でもそれ以上でもバクテリアには最適な環境ではない事が公表されています。

 

 

しかし、多くのろ過材ではこの1L当たり270㎡の環境を作り出すことが困難です。バクテリアは、ろ過材の表面や内部に定着し、増殖を繰り返しながら、アンモニアや亜硝酸の分解を行いますが、十分にバクテリアがいない環境では、有害物質が完全に除去されず、魚に危険が及ぼされます。ろ過槽が小さい場合やろ過材が不適切な場合は、魚の排泄物を完全に無害化する事が出来ず、病気が発生したり、上手く飼育できない状況が発生します。

 

SERA社のシポラックス1000ml/290gは、1箱で濾過槽の1L(1000㎤)分のスペースをまかない、270㎡のバクテリア定着面積を再現する事が出来ます。驚くことに、僅かの量で効果的なろ過能力を発揮する理由は、最適なバクテリアの定着面積によって実現しています。

 

 

-ろ過材の形状と総面積の比較-

バクテリアの定着面積が大きいろ過材は、どのような形状になっているのか考えて行きましょう。表面がツルツルのプラスチップろ過材、小さな穴がある活性炭やゼオライト、よくある多孔質のセラミックろ過材、シポラックス、それぞれの断面を比較しました。

 

 

プラスチックは、総表面積が少なく、表面がスベスベな為、バクテリアの定着に向きません。

 

活性炭やゼオライトは、窪み分だけ表面積は大きくなりますが、バクテリアには孔が狭く、定着に不向きであることが分かります。

 

多くのろ過材に使用されているセラミックは、総表面積が大きく、石やプラスチックのろ過材よりも優れていますが、バクテリアの増殖環境としてはあまり最適とは言えません。

 

SERA社の「シポラックス」は、複雑なトンネル構造になっていて、総表面積が大きく、バクテリアの増殖環境に適しています。更に、1L当たり270㎡の環境を唯一再現する事が出来ます。僅か1Lほどのシポラックスの総表面積は270㎡という事になり、バクテリアの定着面積がテニスコート1面分を確保する事を意味します。巷では、高性能とか多孔質など謳っている製品を多く見かけますが、1L当たり270㎡の表面積を謳っている製品は、見たことがありません!!!

 

-バクテリアの補填方法-

お水を綺麗にするバクテリアは、淡水水槽の場合はバイオニトリベックを使用し、海水水槽の場合はマリンバイオリーフクリアを使用する事で補うことが出来ます。水槽の立ち上げ時や水換え時にご使用ください。

 

sera バイオニトリベック

 

sera マリンバイオリーフクリア

 

 

◆最適なろ過の順番

飼育水を綺麗な状態で保つためには、微生物(バクテリア)を利用する事が重要なことが分かりました。それでは、もう少し具体的にろ過の仕組みを考えて行きましょう。

 

魚を飼育している飼育水は、見た目が綺麗でも汚れていることがあります。枯葉やゴミなどの大きな汚れから、目に見えない細かい汚れもあります。この目に見えない汚れが実に厄介で魚の生死に関わる有害物質のアンモニアや亜硝酸などを含みます。

これら魚に不必要な汚れは、目的に応じて適切なろ過材で浄化する事が大切です。大きな汚れは、白い綿状のフィルターウールで物理的にろ過して取り除き、水に溶け込んだ有害物質(アンモニアや亜硝酸)は、シポラックスやシポラックスミニに定着した微生物(バクテリア)によってろ過して浄化します。

 

フィルターウール
フィルターウールは、飼育水に含まれる大きな汚れを取り除くための物理ろ過材です。

バクテリアを定着させる生物ろ過材の手前に敷き入れてください。

 

sera フィルターウール

 

<フィルターウールの特徴>
★大容量100g又は250gの2サイズ
★ちぎって、好きな形に形成可能
★上部フィルター、外部フィルター、小型フィルター、オーバーフローでも使用可能
★シポラックスの前処理ろ過材として最適
★淡水魚水槽も海水魚水槽でも使用可能

 

フィルターウールは、手で簡単にちぎり、好きな形に形成できるのでどのようなろ過槽にもマッチします。水道水で軽く濯いでから、ろ過槽内に設置してください。水換えの度、汚れを洗浄しながら2~3回は再利用できます。
※洗浄する際は、洗剤や石鹸などは使用しないでください。

 

シポラックス&シポラックスミニ
シポラックス&シポラックスミニは、飼育水に溶け飛んだアンモニアや亜硝酸を除去するための生物ろ過材です。

実は硝酸塩(NO3)すらも除去するから優れものです。

 

sera シポラックス®15mm

 

sera シポラックス®ミニ

 

<シポラックスとシポラックスミニの特徴>
★1Lで最適な270㎡のバクテリア定着面積を実現
★淡水でも海水でも高いろ過能力を発揮
★上部フィルター、外部フィルター、小型フィルター、オーバーフローでも使用可能
★ガラス製の為、水質に悪い影響を及ぼしません
★硝酸塩を軽減する脱窒効果を保持します

 

リング状のシポラックスは、60cm以上の水槽に適しています。シポラックスミニは、タブレット形状で、60cm以下の小型水槽にお勧めです。水道水で軽く濯いでから、ろ過槽内に設置してください。目安として、月に1度、シポラックスを飼育水で軽く濯ぐことで最大限の効果を持続します。
※洗浄する際は、洗剤や石鹸などは使用しないでください。

 

 

◆ろ過の手順とメンテナンス
ろ過装置に設置するろ過材は、目的によって複数のろ過材を組み合わせて設置する事が最適です。ろ過材は、飼育する魚の種類や目的によって変わりますので、自分の飼育に合ったろ過材を選んでください。また、ろ過材は汚れを綺麗にすることによって、徐々に汚れることを忘れないで下さい。

 

- ろ過の手順 -
ろ過の手順は「大きな汚れを処理」→「微生物(バクテリア)による処理」の順番が大切です。微生物の定着するシポラックスが汚れによって目詰まりする事を予防するためには、前処理にフィルターウールを設置して、汚れをブロックしてください。

 

<飼育水→フィルターウール→シポラックス→水槽へ>

 

より、完璧なろ過を構築するためには、「大きな汚れを処理」→「水質調整の処理」→「微生物(バクテリア)による処理」→「再度物理的なろ過処理」が理想的です。

 

<飼育水→フィルターウール→リン酸吸着材→活性炭→シポラックス→フィルターウール→水槽へ>

 

 

注:小型のろ過装置や簡易的なろ過槽では、これらの処理段階を再現するスペースがないため、不完全なろ過になりがちです。また、ろ過をすれば水換えをしなくても問題が無い訳ではありませんので、定期的な水換えは必ず行ってください!

 

- メンテナンス -
ろ過槽内のろ過材は、汚れた飼育水をろ過する事で徐々に汚れていきます。ろ過槽は、必ず定期的な掃除を行って、常に最適なろ過が行われるようにメンテナンスを行ってください。

 

★物理ろ過材のメンテナンス
特に、大きな汚れをろ過している物理ろ過材のフィルターウールは、水換えのたびに綺麗に洗浄してください。汚れが酷い場合には、新しいものへ交換する事が重要です。

 

★水質調整ろ過材のメンテナンス
水質調整を目的としたろ過材は、効果が無くなる前に交換してください。飼育環境によって異なりますが、おおよその目安として3ヶ月程を目安に交換する事をお勧めします。

 

★生物ろ過材のメンテナンス
シポラックスやシポラックスミニは、目安として1ヶ月に1回、飼育水で軽く濯ぐことをお勧めします。形状が崩れてボロボロなつた時や汚れで目詰まりを起こしろ過能力が低下した際は、新しいものに交換してください。定期的に飼育水で濯ぐことで、古いバクテリアコロニーをリセットして、新しいバクテリアコロニーが活性し易い環境を整えることが出来ます。

 

注:生物ろ過材にはバクテリアが定着しています。メンテナンスや水換えによって少なくなったバクテリアは、バイオニトリバック(淡水用)やマリンバイオリーフクリア(海水用)を使用して、補ってください。

 

↓↓シポラックス内部のバクテリア

 

 

◆不適切なろ過が及ぼすデメリット
アクアリウムにおいてろ過は非常に重要です。

観賞魚は常に水にさらされ、水の汚染は直接大きく生命に関与します。排泄物は、アンモニアや亜硝酸と呼ばれる有害な物質へと変化し、病気や酸欠など、様々な危険を招きます。

 

私達人間の生活に置き換えて考えると「ろ過」は、トイレであり空気清浄機です。日々、生活するなかで汚れる空気を浄化しない状況や排泄物を処理するトイレが機能しない状況を想像してみて下さい。アクアリウムのろ過装置が、とても重要なことが分かります。

 

下記項目(1.~15.)思い当たる方はろ過を見直してください。

 

1.既製品のろ過材をそのまま使っている
2.ろ過材に拘っていない
3.頻繁に水換えをしている
4.魚を長期間生かすことが出来ない
5.魚がすぐに病気になる
6.水槽の水が匂う
7.水面に泡が溜まる
8.水が白濁する
9.苔がすぐにはびこる
10.水質が悪化する
11.アンモニアが下がらない
12.亜硝酸が出る
13.硝酸塩を下げたい
14.過密飼育をしている
15.エサをたくさん与えている

 

アクアリウムにおいて、ろ過が非常に重要なポイントだという事をご理解頂けたと思います。

上手に飼育できない方の多くは、ろ過が不十分だったり、不適切なろ過システムで飼育しているケースが大半です。ろ過が適切に機能していない場合は、水質が悪化し、アンモニア(NH4/NH3)や亜硝酸(NO2)、硝酸塩(NO3)などが処理されず、飼育水が汚染されますので、水質測定試薬を使って確認しましょう。

 

もし、汚染物質が測定された場合は、ろ過不足との判断になり、早急にろ過を見直してください。

 

◆まとめ
水槽セットに付属しているろ過材とろ過槽を使えば、安心して飼育が出来るとは限りません。魚の種類や飼育匹数は、それぞれに異なり、製品の説明に「〇〇〇種を〇匹飼えます」とは明記されていませんのでご注意ください!

 

上手く飼育が出来ない方は、魚の匹数を減らすか!ろ過材とろ過装置の見直しをお勧めします。

また、飼育水を常に綺麗に浄化させるためには、飼育する生物の数を見極めて、消化吸収の優れたエサを給餌して水質汚染を最小限に止める工夫も大切です。SERA社は、魚の栄養面や食性も考えながら、水質汚染を最小限に止めるために消化吸収の優れたフードの開発を行っています。

 

是非、自然に習ったろ過システムをアクアリウムに応用して、安全安心に観賞魚を飼育してください。飼育環境に合わせたろ過材の量、適切な循環システム、複数のろ過材による最適化を心掛けて、ろ過の見直しをしてみましょう!

 

世界中で愛用されている

ドイツSERA社のシポラックス

熱帯魚金魚海水魚に使用可能!

上部外部内部フィルターに使用可能!

バクテリアに最適な1L当たり270㎡を再現!

ガラス製で水質に影響なし

硝酸塩を脱窒効果で軽減!

 

セラジャパンがお勧めするイチ押しのSERA商品です。

 

アクアリウム用のろ過材は、多数ありますが是非お試しください。

これからアクアリウムを始める方にも、上手く飼育できていない方にも、お勧めのろ過材です。

 

シポラックスについて詳しくは

シポラックスの特設ページ