【アクアリウム】リン酸塩と浮遊苔の対策

2024.7.12

アクアリウムの苔撃退

リン酸塩浮遊苔対策

 

 

淡水アクアリウムでも!海水アクアリウムでも!

多くの飼育者の方々を悩ませる「厄介な苔」にお勧めのセラ製品をご紹介します。

 

実際に製品を使用した際の実験も行ってますので効果もご覧ください。

 

 

目次:

アクアリウムの苔

苔対策

リン酸塩と硝酸塩

フォスベックグラニュレイトの紹介

クリスタルクリアの紹介

まとめ

 


 

アクアリウムの苔

手入れの行き届いた水槽では、藍藻を除いて殆どの藻類は発生しません。しかし、水槽がセット初期の段階では、水草がまだ十分に生長されていない為に苔が発生します。水草と苔はお互いの生長に必要な栄養素を奪い合います。そのため、水草を優位な立場(水草を元気に育てる)にすることで確実に苔の抑制が可能です。

 

また、飼育水は定期的に測定して、リン酸塩(PO4)や硝酸塩(NO3)濃度を低く維持しながら、水草に必要な栄養素(栄養・CO2・光)を補って健康的に水草を育成することが苔の抑制につながります。

 

 vs 水草

 

海水水槽の場合、淡水水槽ほど植物(海藻)を水槽内で育成しないケースが殆どです。そのため、淡水水槽よりも苔を抑制することが難しくなります。よって、特にリン酸塩や硝酸塩の濃度は低い数値を常に維持する事がポイントになります。1週間も経たずにガラス面やライブロックに茶色い苔が出る場合は、PO4とNO3を測定してみて下さい。

 

★リン酸塩測定:PO4テスト

★硝酸塩測定:NO3テスト

 

PO4  NO3

 

 

<淡水水槽で発生する苔>

苔の種類は様々です。

水槽の環境や水質の違いによって発生する苔の種類が変わります。

下記は一例ですが参考にしてみてください。

 

  • 単細胞の浮遊性藻(水が緑色になる)
  • バクテリア、単細胞生物(水が白く濁る)
  • 糸状藻(細く長い緑のコケ)
  • 毛皮状藻(細く短い緑のコケ)
  • 藍藻(ノリ状のシアノバクテリア)
  • 茶苔(ガラスに付く褐色のコケ)
  • 緑色の房状藻(ふさふさした短い緑のコケ)
  • 黒いヒゲ状藻(赤黒い房状のコケ)
  • 緑色のヒゲ状藻(濃い緑の糸状のコケ)

 

 

苔については詳しくは

HP内「水草ガイド」の下部

「水草と苔の関係」をご覧ください。

 

 


 

苔対策

苔が水槽内で発生する原因は、1つではありません。

とても厄介です!!1つより2つ、2つよりも3つ、

原因が増えれば増える程、苔が元気に活発になります。

 

  1. 硝酸塩が高い
  2. リン酸塩が高い
  3. 直射日光があたる
  4. 水草が元気に育成されていない
  5. 根が健全に育っていない
  6. 照明器具が古い(不適切/弱い)
  7. エアレーション過多
  8. 水換えをしていない又は換水量が少ない

 

苔の対策は大きく2つに分かれます。

苔が出た後で処理する「コケ処理対策」と、苔が出ないようにする「コケ抑制対策」です。

 

 

★コケ処理対策

コケを食べる生き物による駆除が一般的です。苔の種類によって最適な生き物は異なりますが、例えば淡水アクアリウムの場合、エビや貝、オトシンクルスやブラックモーリーなどが有名です。海水アクアリウムの場合、エビやヤドカリ、貝やウニの他にハギやギンポなどが苔を処理してくれます。

 

 

★コケ抑制対策

先の1.~8.にあった苔の原因を無くすことが基本的な対策になります。

水槽設置場所の見直し、照明器具の見直し、水草の健康状態のチェック、そして水質のチェックです。

 

是非、苔が出てから対策するのではなく、苔の出にくい環境作りをお勧めします。

この記事をきっかけに、リン酸塩(PO4)と硝酸塩(NO3)をチェックしてみて下さい。

 

 


 

リン酸塩と硝酸塩

アクアリウムでは、実に残念な事ですがリン酸塩(PO4)と硝酸塩(NO3)はドンドン蓄積されていく傾向にあります。リン(P)は魚にも水草にも必要な栄養素であるため、餌や肥料に含まれると思ってください。更に、水道水や砂利・流木などの装飾品、pH降下剤や人工海水にもリンが含まれていることもあります。また、硝酸塩は魚の排泄物から生成されるため、ご飯をあげている以上は必ず発生するものと思ってください。

 

PO4とNO3は蓄積される

 

よって、発生する量を少なくする努力が必要です。リンの少ない餌を選ぶ事やリンを含まない製品を選ぶ事が大切です。そして、硝酸塩を減らすためには、消化吸収の良い餌を給餌して、定期的な水換えによって水槽外へ排出しなけれななりません。それでも、少量づつ水槽内に取り込まれる物質になります。

 

「0値」にすることは困難

 

 

興味があればご覧ください

↓↓↓

Xにてリン酸塩のポスト投稿

 

そして、水換えをしても、飼育していれば自然にリン酸や硝酸は生み出されます。よって、ろ過フィルター内にリン酸を吸着するフォスベックグラニュレイトや脱窒(硝酸塩をなくす)効果のあるシポラックスを使用して、極めて低い値を維持することが大切です。通常の生物ろ過材では、リン酸塩や硝酸塩は分解ろ過されませんのでご注意ください。

 

★PO4除去:フォスベックグラニュレイト

★NO3除去:シポラックス

 

 


 

フォスベックグラニュレイトの紹介

飼育水に蓄積されていくリン酸塩(PO4)を吸着して除去します。使用前に水道水で軽く濯いでから、ろ過フィルターなどの通水する環境に設置してください。濯いだ際には本品と水の化学反応により、数秒間ほど本品自体に熱が発生(使い捨てカイロのように)しますのでご注意ください。フォスベックグラニュレイトの除去効果は最長約3ヶ月間持続します。

 

 

500g:約12,500mgのリン酸塩を除去
500g:200L水槽で約3ヶ月を目安にご使用ください
※リン酸塩の濃度によって使用量/使用期間は変化します

 

追加情報:

 

a. 海水での使用:
使用前に顆粒を可能であればRO 水で濯いでください。

 

推奨される使用法: PO4 レベルに合わせて投与量を調整
0.15 mg/L 以上: 100 L あたり 100 g
0.05 – 0.15 mg/L: 100 L あたり 50 g
0.05 mg/L 未満: 100 L あたり 20 g

 

海水水槽のPO4レベルを定期的に測定してください。
値がゼロにまで下がってはいけません。
PO4 レベルが 0.02 mg/l 未満になると、サンゴに影響がでる可能性があります。

 

b. 淡水での使用:
100Lの飼育水に対し、100gを目安にご使用ください。
しかし、飼育水に含まれる平均PO4値が0.5~1mg/lであり、約3ヶ月で交換する場合に限ります。

また、飼育水は定期的にリン酸塩含有量を確認することをお勧めします。

測定値が増加している場合は、顆粒を交換してください。

通水はゆっくりと確実に通水する場所が最適です。

状況に応じて、外部フィルター以外のサブフィルターの中に設置することが理想的な場合もあります。

 

 

それでは、実際に効果検証実験をやっていきます(^O^)/

 

 

<リン酸塩の除去実験>

リン酸濃度が1mg/Lの水槽(約14L/総リン酸塩の含有量14mg)に、フォスベックグラニュレイト35g(吸着容量875mg)を使用して24時間ろ過してみました。

 

Ⅰ. リン酸塩濃度1mg/Lの水

 

Ⅱ. フォスベックグラニュレイトで24時間ろ過

 

 

完全に「0」ではありませんが明確に数値が下がりました!

24時間で効果がありました!!

 

効果が早いですね(^O^)/

 

 

フォスベックグラニュレイトは約3ヶ月間効果が持続します。

目安として200Lに対し500gで3ヶ月です。

飼育水のリン酸濃度によって使用量を調整してご使用ください。

 

500gで約12,500mgのリン酸を除去

 

※参考までに!!!

200L水槽のPO4濃度が2.0mg/Lのとき

飼育水にPO4は「200L✕2mg=400mg」400mgあります。

仮に毎日200mg生成されるとすると、62日間吸着し続けます。

もし、毎日140mg発生していたら、約90日(3ヶ月)使えます。

12,500mg/L吸着したら、それ以上は除去出来ません。

 

 

数値が明確で良心的ですね(^_-)-☆

 

他社類似品の中には、効果がゆっくりすぎて実感できない製品や長期間使用できない製品があるようです。当然、飼育水のリン酸塩濃度は、吸収される量より生成される量が上回る場合は濃度が低下する事はありません。もし、数値が下がらない場合はPO4が大量に発生している、又は吸着容量をオーバーしている可能性を疑ってください。

 

 


 

クリスタルクリアの紹介

【注意】2024年7月現在、日本未発売製品です

 

特許取得済みの3D繊維構造の革新的なろ過材です。水中に漂う微細(10μm以上)な濁り(浮遊藻類やヘドロ、スラッジ)を短時間で除去します。淡水・海水アクアリウムに使用可能で、飼育水が通水するろ過フィルター内に設置してご使用ください。庭の池にも使用することが出来ます。

 

グリーンのフィルターボールは数回洗浄して再度利用する事が出来ます。汚れを絡めとったボールは水道水でもみほぐしながら洗浄し、絶対に石鹸や洗剤は使用しないようにしてください。フィルターボールは洗浄すると効果が80%に減少します。常に高いろ過能力を維持する為には、洗浄時に新しいボールを20%追加する事をお勧めします。

 

12個入り:360L用
1個当たり:30Lを目安にご使用ください

 

浮遊藻類を除去できるか?実験を行ってみました(^O^)/

 

 

<グリーンウォーターの物理ろ過実験>

グリーンウォーター(浮遊藻)水槽にクリスタルクリアを使用して24時間ろ過してみました。

 

Ⅲ. クリスタルクリアでろ過

 

Ⅳ. ろ過経過、5時間 ⇒ 12時間 ⇒ 24時間後

 

Ⅴ. ろ過前とろ過後の比較

 

 

完全に「透明」ではありませんが明確に綺麗になりました!

当然、藻類の成長スピードとクリスタルクリアの吸着能力によって、実際の飼育水槽では多少異なる結果になると思いますのでご理解ください。

 

効果が早いですね(^O^)/

 

 

目安として360Lに対し12ボールご使用ください。

1ボールで30Lが目安です。

 

 

数値が明確で良心的ですね(^_-)-☆

 

 

SERA製品は効果が早く!

効能が数字で明確に記載されています!

 

 

ちなみに、sera スーパーピートの褐色はクリスタルクリアで除去することが出来ません。10μm(マイクロメートル)以下の粒子は取り除くことが出来ません。

1μm=1mmの1000分の1

 

 

Ⅵ. sera GmbH による実験動画

 

Ⅶ. セラジャパン実験動画

 

グリーンウォーターを作りたい方やグリーンウォーターで飼育したい方には、お勧めできませんので目的に応じてご活用ください。

 

発売開始まで今しばらくお待ちください!

 

 


 

まとめ

淡水でも海水でも・・苔は悩みの種ですね。

騙されたと思って「シポラックス」「フォスベックグラニュレイト」「クリスタルクリア」をお試し下さい。

 

★シポラックスでNO3対策

★フォスベックグラニュレイトでPO4対策

★クリスタルクリアで浮遊性藻対策

 

 

アクアリウムはとても複雑です。

1つの製品だけでは解決できない事が沢山あります。当然「シポラックス」も「フォスベックグラニュレイト」も「クリスタルクリア」も苔駆除製品ではありません。

 

シポラックスは魚の排泄物から生成される汚染物質をバクテリアによって処理を促すろ過材です。フォスベックグラニュレイトは苔の原因となるPO4に対し効果を発揮する製品です。クリスタルクリアは水中を漂う藻やヘドロを絡めとるろ過材です。苔の原因となる物質を1つづつ効果的に対処することで、結果として苔の抑制につながるということです。

 

 

とても分かり難いですね。

 

「苔撃退」とか「苔キラー」なら分かり易いのですが・・・

 

 

SERA製品は「NO3除去」「PO4除去」「10μm以上の粒子を除去」という機能を謳うことを優先しています。これは、問題が起きている原因を追究し、確実に効果を出すことを目的としているからです。

 

製品の効果に絶対の自信がある証拠です。

 

 

一度、世界中で高い評価を獲得しているドイツSERA社の製品をお試しください。

 

また、もっと苔を抑制したい方は、淡水であっても海水であっても殺菌灯を使用してみて下さい。残念ながらドイツSERAの殺菌灯は日本では取り扱っておりませんが、出来ればUV-C殺菌灯を探してお試しください。日本では淡水に殺菌灯の使用は一般的ではありませんが、ヨーロッパでは普通に使用されています。

 

 

私たちの製品や情報が1人でも多くの助けになる事を願います。

そして、これからも有益な情報を届けられるよう務めます。

 

最後までご覧いただき有難う御座います。