【実験】活性炭の効果とは!

2020.12.25

水槽の白濁! 飼育水の黄ばみ!

飼育水を透明な水にするために使用される活性炭

 

今回は「活性炭/カーボン」について検証していきます。

 

★どのような場合に使用するのが適切なのか?

★どのような効果があるのか?

★使用する際に気を付けないといけないこと!

 

実験&検証動画、是非参考になさってくださいね(*´▽`*)

 

■【第1弾】カーボンは染色液を透明にするのか

 

■【第2弾】有害物質が除去出来るのか?

 

■【第3弾】活性炭から放出される有害物質


 

★ 目 次 ★

【お伝えしたいこと】

【実験の概要】

  <①染色液を透明に出来るのか?>

  <②有害物質は除去出来るのか?>

  <③活性炭から放出される有害物>

【まとめ】

 

—————————————————-

【お伝えしたいこと】

アクアリウム用品は多くの製品が販売されています。

また、アクアリウム専用用品ではないものが流用されるケースも御座います。

 

セラジャパンは常に飼育水を測定しながら、アクアリウムを維持することを推奨しています。

1つの理由といたしまして

 

 「目に見える効果だけでは真実は見えない」

 

一見、良いようにみえても、実は悪くなっている!

このような信じられないことが、起きてしまうのが日本のアクアリウムです。

 

その為、見た目では判断できない部分を知るために「水質測定」を推奨しています。今回は分かりやすい例として、活性炭の実験通じて「見た目だけでは判断できない部分の重要性」をご紹介していきます。

 

「目に見えない事」は

飼育者様のご判断で、混乱や勘違いをも引き起こしかねません。

是非、参考になさって下さいね。

 

 

【実験の概要】

市販のペットボトルを半分にカットして、通水実験です。

セラ スーパーカーボンに試験液を通水させて、活性炭の効果を検証してみました。

後半は、他社類似品とセラ スーパーカーボンの比較も行っています。

 

 

それでは!いざ!!実験!!スタート

 

 

<①染色液を透明に出来るのか?>
検証液はメチレンブルー水溶液です。※チョット濃すぎました

 

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検証液をカーボンに通水させていきます。

1回目のろ過では、少しだけ、色が薄くなり、多少はろ過されています。2回目・・・

 

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3回目・・4回目・・・5回・・・・

12回通水させることで、ブルーの試験水は無色透明になりました。

 

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結論:

活性炭は水を透明にすることが分かりました。

 

活用方法:

水槽立ち上げ時に白濁した際や流木などから出た黄ばみを透明にしたい場合や、メチレンブルー溶液の染料除去などに使用することが出来る製品です。

 

 

 

<②有害物質を除去出来るのか?>

検証液は、水道水(塩素水)と希釈した銅溶液です。

活性炭が塩素(Cl)と銅(Cu)を除去することが出来るのか検証していきます。

 

↓塩素の実験

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<左:検証液  中央:1回ろ過  右:2回ろ過>

 

↓銅の実験

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<左:検証液  中央:1回ろ過  右:2回ろ過>

 

1回目の通水ろ過・・・やや除去

2回目の通水ろ過・・・ほぼ除去出来ました。

 

 

結論:

活性炭は塩素と銅を除去できます。

 

活用方法:

薬剤投与後の残基(銅成分)除去などに使用することが出来る製品です。また、塩素の除去にも使用できます。

 

★活性炭は水を透明にするだけではなく、水に溶け込んだ塩素や銅を除去することが分かりました。

水質を測定することで目に見えない物質の変化を知ることが出来るのです!

 

 

さ~て!!!ここからが本題です

 

水を透明にして、更には、有害物まで除去する活性炭は「神」

良い事ばかりじゃないですか・・・・・

でも、本当に大丈夫なのでしょうか!

 

 

<③活性炭から放出される有害物>

今回は、セラ スーパーカーボンと類似品他社の活性炭も同様に検証していきます。

活性炭から放出される物質の検証実験です。

活性炭は吸着する良い効果だけとは限りません!

 

↓類似品他社の活性炭

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通水液はアクアゼスト(純水)を使用します。

※純粋はなにも含まない綺麗な水です。

 

↓セラ アクアゼスト

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活性炭から、何が排出されているのか検証していきます。

 

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1回目・・・2回目・・・

 

 

綺麗な純水が活性炭を通水することで有害物質が出ていたら・・・

セラPO4テストでリン酸塩の測定を行いました。

 

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<左:セラ スーパーカーボン通水液 右:類似品通水液>

 

結論:

粗悪な活性炭はリン酸(PO4)を出します。

 

★活性炭は水を透明にしますが、水質を測定することで目に見えない物質が排出されていることを知ることが出来るのです!

 

リン酸:

・リン酸はpH値を降下させる働きがあります。

・コケ発生の原因の1つです。

・バクテリアに関与する病気の引き金となります。

・高濃度は魚のエラや皮膚にも害があります。

 

活性炭を使用したら、水は綺麗になったけど・・・

”急にコケが出始めた” ”魚が病気になった”

 

このようなケースに思い当たる方は、ご注意ください!

 

 

【まとめ】

 

流通しているアクアリウム用品の中には、水槽に使用することが適切ではないと判断できる製品が多く売られています。

多くのアクアリストが目に見える効果だけに惑わされ、本当はアクアリウムに適さない製品を使用し、失敗している事実があるのです。

 

本当に嘆かわしい事ですが・・事実です!

 

是非、パッケージやうたい文句を鵜吞みにするのではなく、実際にどのような効果が飼育水に反映されているのかを確かめてください。そのためには、複数の水質試薬(テスター)を使用し、危険な製品を見つけ出し、使用を中止することをお勧めします。

 

自分自身で検証することが困難な方は、是非、セラ社の安心安全な製品をご愛用くださいますようお願い申し上げます。

 

 


★セラジャパン直営ストア★

【使ったセラ製品達】

セラ スーパーカーボン

セラ フィルターウール

セラ Clテスト

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セラ アクアゼスト(セラテストボックス付属)

 

【関連情報/ガイド】

水質ガイド

 

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