カルタヘナ法について学ぼう

2024.3.13

 

 

 

今回は「カルタヘナ法」勉強しましょう!

 

★ 目 次 ★

ショッキングな事件

カルタヘナ法とは

生物の多様性について

観賞魚業界として

最後に

 


 

ショッキングな事件>

 

残念ながら、この様なテーマを題材にするにあたったのは、2024年1月に観賞魚に関わる残念なニュースが飛び込んできたからです。

カルタヘナ法に該当する違法行為を行っていたショップ、及びそのお魚を購入した一般のお客様が逮捕、聴取に至ったとのニュースが。。。

 

 

蛍光に光るベタ”を販売していたようです。

 

遺伝子組み換えによる光るベタですが、サンゴであるマメスナギンチャクの遺伝子をベタにまぜ、蛍光に光るベタを作られたそうです。

勿論、国内では無く、国外で遺伝子組み替えしたベタを日本に輸入し、販売していたようです。

 

その後、

どのタイミングかは分かりませんが、購入者の方がベタのコンテストに出品したところ、コンテスト主催者側の人が気付き通報。

こんな流れだったそうです。

 

勿論、後の聴取では罪を認めており、組み換えられたベタだと知っていたとの事です。

このような事件は、非常に恥じるべく事であると共に、悲しい出来事です。販売店の「モラルの欠損」「知性レベルの低さ」を痛感しています。同業者として悲しい限りです。

 

罰則!!!!

最も重いもので、1年以内の懲役若しくは100万円以内の罰金

又はこれらの併科となっています。

 

 

最初にお伝えしたい事は、

観賞魚の販売小売業は、行政や法に携わる知識が無くても、飼育知識や技術がなくても開業できてしまうという事です。

いち愛好家がお店を出して、業界全体が盛り上がる事は喜ばしい事ですが、今回のニュースのように残念な出来事が起きてしまうことは残念でしかたありません。

また、今回の事件の場合、買ってしまったお客様にも責任が問われたようです。

勿論「カルタヘナ法」を知らなかったのかもしれませんが、ご購入者にも飼育管理責任が当然発生します。

 

例えば

ネットでメダカの卵に種類を付けて売る行為!

輸入規制のある生物の飼育!

飼育放棄による自然への放流!

異動許可が必要な生物の無断移動行為!

 

このような観賞魚に関わる違法行為はいくつもあります。

 

これらは、生き物を販売している業者が責任をもって啓蒙し、楽しく安全に生き物と向き合うサポートをしなければならないと思います。

しかし、現状の日本では、前述の通り「なにも知らない人」でも、業者として成り立ってしまうことが大きな問題点であると感じてなりません。

 

さて、この様な事から、なるべく認知できる物はしていきたいと思っているのですが、なんせ専門的な言葉も並び、難しいので、少しくだけて解説できたらと思います。

 


 

カルタヘナ法とは>

 

そもそもカルタヘナ法とは何の事か?

 

遺伝子組み換え生物(LMO)に関する条約や法律の事です。

国際的な規則の中に「生き物の多様性に関する条約バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書」と言うものが存在しています。

この議定書の内容を日本で実施するために作られたのがカルタヘナ法です。

※平成16年に発行された日本版バイオセーフティクリアリングハウス(J-BCH)=カルタヘナ法

 

遺伝子組み換え生物等の使用等の規制による

生物の多様性の確保に関する法律

 

遺伝子組み換え生物!は何となく分かるとして。。。

生物の多様性!について考えて行きましょう。

 

詳しくは

農林水産省HP:カルタヘナ法とは

 

 


 

生物の多様性について>

 

今流行りの「多様性」・・・(^O^)/

「皆、それぞれ違って良い!」みたいなイメージをお持ちでしょうか??

しかし、ここで出てくる「多様性」は、もっと専門的な意味合いが含まれます。

 

生物の多様性とは?

本来居るべく場所、進化の過程、進化、習性、DNAにいたるまで生き物が今まで経てなった物事の事を指しています。

アフリカゾウで具体例を出してみるとこんな感じです。

 

アフリカゾウとは・・・・

  • アフリカゾウはアフリカに生息するアフリカの象。
  • 草、果実、木の枝葉などを食べて生息しています。
  • 大きな耳は、暑い地域で体温を下げるために発達しています。
  • 餌をつかんだり、手のように動く長い鼻。

 

もし、人間が遺伝子組み換えを行い

 

  • 寒さに強く、南極でもいきるマンモスの様な形状に。
  • 魚類や昆虫などを食べられるように改良。
  • 大きな耳を小さく。
  • 外敵と戦うために、2本の鼻。

 

アフリカゾウはアフリカゾウの特性と進化に意味がある訳です。

生きとし生きる生き物はその場所、その特性を持ち生きている事が環境のバランスを保っているのです。

時に、人間の及ぼす「遺伝子組み換え」は元々のDNAを組み換え、異形の様にしてしまう事があります。

↓↓↓

ベタが蛍光色に光る!

 

これによって、生き物そのもだけでは無く、その生き物が生息していた環境全体のバランス関係が崩れる可能性が発生します。

共存、共生していた事が共生できなくなるんですね。

なので、規制を施し、環境へ出す、出さない、国を超える、超えない等の管理を徹底する。

 

そんなことが起きないように規制する法律が「カルタヘナ法」です。

 

超簡単に言いますと。。。

 

人間が勝手に遺伝子組み換えして作った生物が自然界の生物に影響を及ぼさないようにしよう!です。

 

当然、動物だけではありませんよ、生き物ですので、植物などにも該当します。

 

起こりうる生態系への影響は大きく3つ

 

①遺伝子組換え生物が在来の生態系へ侵入することで、例えば組換えDNA技術によって病気に強い植物が開発され、生存能力が強い植物によって在来の植物種の生育に何らかの影響を与える可能性が考えられます。

 

②遺伝子組換え生物が在来種と交雑してしまうことによる影響で、組換えDNA技術によって特別な形質の花粉が近縁の在来種の集団に飛散することによって、野生の近縁種の集団が交雑集団に置き換わってしまうといった影響が考えられます。

 

③遺伝子組換え生物が生み出す物質による在来種の集団への影響で、例えば、組換えDNA技術により殺虫性の物質を生む形質が与えられた植物が、他の植物などに有害な物質を生み出すことによって他の植物などを駆逐してしまう場合が考えられます。

 

ようするに

学者でもない人間が、遺伝子組み換えの生き物を飼うな!

綺麗だからといって安易に買うな!

結論、人間都合で自然を壊すな!

ということです。

 


 

観賞魚業界として>

 

今回、カルタヘナ法違反で販売者も購入者もニュースに取り上げられました。

 

まだ押収できていないベタも居るとの事で心配です。輸入されたベタの数と販売された数が合わず、行方不明なベタが居るのです。

真実は全く分かりませんが、もし、この生き物が川に放たれていたりしたら・・・

 

生物の多様性に影響が出る可能性があるということです。

実に問題となることを理解しなければなりません。

 

お店は、常にお客様の喜ぶ生物を探し出すことに尽力し、珍しい生き物がいれば販売したいと言う気持ちもわかります。

お客様も、綺麗で珍しい生き物がいれば、家で飼育したいという気持ちも理解できます。

でも、購入前によく考えましょう!

 

遺伝子組み換えの生物を許可なく飼育する事は出来ません!

 

この機会に、カルタヘナ法をみんなで学び、ひとりひとりが犯罪の抑制に目を光らせる事が出来れば、無知な業者や悪徳な業者はなくなります。

生き物を愛する愛好家は、個人的な趣味嗜好に左右されず、常に自然動物や自然環境に心を寄せて頂きたいと切に願います。

 

 

 


 

最後に>

 

さて、私たちはドイツのペット文化をリスペクトし、ペットアクアリウムの楽しみを推奨しています。

参考までにペットアクアリウムについて少々語らせて頂きます。

 

アクアリウムは・・・・

水族館、池の鯉、水草水槽、海水魚飼育どれもアクアリウムです。

小さな水槽、大きな水槽、オーバーフローどれもアクアリウムです。

 

世の中には、とても沢山のアクアリウムが存在します。

 

是非、一度、考えて頂きたいことは・・・・・

 

アクアリウムはインテリアなのか?

アクアリウムはペットなのか?

 

このどちらかを否定する訳ではありません。

アクアリウムは自由です!!

 

しかし、多くの初心者は「インテリアの水槽に」「ペットの魚を入れる」となります。

インテリアとペットの融合です。

この行為が飼育を難しくしていることに気が付きません。

 

私たちは、水槽でペットフィッシュを飼育する為の飼育用品を販売しています。

 

セラジャパンは

ペット飼育用品のメーカー”SERA”です

 

その為、ペットである生き物の生命を飼育者の方々が長期的に継続する為の手法と製品をお届けしています。

もし、上手に飼育(ペット飼育)が出来ない方は、一度、アクアリウムがインテリア化していないかご確認ください。

また、飼育するペットは人間に危害を加えない、人間と共に生活可能な生き物を迎い入れる事を前提とします。

 

よって、法律に触れる生物や我々人間社会に問題を引き起こす可能性が考えられる生物の飼育は相応しくないと考えます。

当然、今回問題となったカルタヘナ法に該当する生き物は、ペット飼育に相応しくないということです。

 

余談ですが・・・

日本は、まだ、飼育難易度の高いアクアリウムを望む傾向があります。小型の水槽・不十分なろ過設備での飼育・過密飼育・水換え不要管理・レアな生き物のコレクションなど。。。。

これらは決して一般的なペット飼育とは呼べず、とても難しいアクアリウムであることをご理解ください。

 

なるべく、安価に、手間が掛からない、綺麗な水槽(インテリア)を部屋に飾りたい気持ちは理解できますが、生き物を健康的に飼育する事を一番に望むのであれば、下記が答えです。

 

水槽・装飾物・レイアウト・水質のすべて!

★生き物の喜ぶ環境作り!

★ペットの生きていた環境を再現する事!

 

そして、

★生き物に寄り添い生き物優先の飼育!

(飼育者の希望は多少我慢しなければなりません)

 

これが、上手に生き物を飼育する為の大前提です。

「自然を学ぶ事」

「自然を守る事」

の双方を考えながらアクアリウムを楽しみましょう(^O^)/