【pHの基礎知識③】実際の調整方法

2019.8.16

この記事はシリーズものになっておりますので、是非前回、前々回を合わせて読んで頂けると、なんとなーく、分かっていただけると思います。

是非読んでって下さいね♪↓↓↓

 

【pH値の基礎知識①】適正値と変動

【pH値の基礎知識②】安定とkH値


 

先ず、少々おさらい(^O^)/

pH値の維持には、KHが必須です。

kH値が低い場合はpH値が緩衝されず、変動が大きくなるリスクがあります。当然、kH値が極めて高い場合にはpH値はアルカリ性に向かう傾向が強くなることを念頭に入れておいてください。

 

KHが0に近い場合のpH変動

KHが適正値のpH値

 

kHを生成するにはgHとCOが必須

pH値の変動を少なくするために重要なkHですが、kH値を上昇させるためには少々工夫が必要です。ミネラル成分のgHと二酸化炭素により、kH値が上昇することを念頭に入れておいてください。

 

pHwo

 

と言う事を【pH値の基礎知識①~②】でお伝えしました。

なかなか、ゴールにたどりつかないモヤモヤ感!

ありますよねー。

 

と言う事で、伝言ゲームの様な関連を持つものの答えしか触れてきませんでしたが。

 

今回は、実際にはどうすれば良いのか?

いくつかのパターンをご紹介します。

 

大事なことは水質のバランス

実際にpH値の調節を行う前には、急激な変動を防ぐためにkH値の確認と調整が必須です。まず、kH値を上昇させるために重要なgHについてご説明していきます。

 

kH値はgH値の約半分くらいの値になるということです。

例として、gH値が「8」だったらKH値は「3~4」くらい。

gHが「20」だったら、KHは「8~10」くらい。

目安として、覚えておいてください(^O^)/

 

KH値とgh値からCO2を考察

 

勿論、この理想のバランスにたどりつけない場合も多く存在します。

たどりつけない場合は必ず原因がありますので、あらゆる環境、状況を見直す必要があります。

 

分からない時は、是非ご相談下さいね。【お問い合わせ】

 

一例ですが・・・

弱酸性を維持したいがために、底砂にソイルを使用して飼育されている方は、二酸化炭素を供給しても、gH&kH値が「0」なんてことありますよ!

おそらく、ソイルがミネラル成分(gH)を吸収し、pH値を下げているのかもしれません。このようなソイルをご使用の場合は、gH値が「0」になり、二酸化炭素を供給してもkHが生成されることはありません。ソイルの効果と二酸化炭素の作用により、pH値は簡単に下降傾向になります。

 

しかい、kH値が「0」だから、日中と夜間の酸素濃度や二酸化炭素濃度により、pH値が変動し水槽のpH値が日中と夜間で安定しない事ありませんか?

更に、チョット多めにCOを添加するとエビちゃんが☆なんてことも・・・きっとpH値の急変が原因かもしれませんね!

 

この機会にkH値を測定することをお勧めします。

 

gH値とKH値の正しい上げ方を紹介

 

pH値の変動&gHとkH

 

飼育水にgHが無ければ、KHは生成されませんので、まずは、ミネラルソルトを使用してgH値を上げてください。

 

sera ミネラルソルト

 

投入するとgH値が上がります。↑↑↑

 

そして、お水の中にCOがあれば、KH値が徐々に上昇します。

COがほとんど無い状態だと、KHの生成に繋がりにくいので、gHだけがあって、KHが上がらない場合はCOを足してください。

※お魚も呼吸すればCOを吐き出している事を皆様見落としがちですが・・・。KHが上手に上がらない場合は、足りないと予想できます。

 

実は全てのアクアリウムにおいて、二酸化炭素はとても重要な働きをもたらします。CO2は水草の為の要素ということではありません。

小型の水槽であればCO2スタートで二酸化炭素を供給することが可能です。

 

sera CO2スタート

 

 

ミネラルソルトと二酸化炭素を飼育水中に供給すると、数日でKH値が少しあがり、それと同時にgHが少し下がると思います。

※gHが他の要因で消費される場合もあります

 

その下がったgH分だけ、またgH(ミネラルソルト)を足す。

この繰り返しでgHとkH値を保つのです。

 

実際にgHを補い、二酸化炭素を供給した水槽のイメージ

↓↓↓

0pH値の変動&gHとkH

 

3pH値の変動&gHとkH

4pH値の変動&gHとkH

 

2pH値の変動&gHとkH

 

セラジャパンでは1週間に1回のメンテンス日を設けて、水槽を維持していますが、水を交換する前と後に水質を測り、飼育水の調節を行っています。

 

メンテナンスは苔掃除と水換えという概念ではありません。

「綺麗にするため」ではなく「魚の喜ぶ水に調整する」事であり、メンテンス、そして、水槽の生き物を愛する最大のツールでもあると思っています。

 

二酸化炭素が「水草のためだけのもの」と思っていた方!

結構いらっしゃるのでは~??

COが必要なんて意外?!

pHはgHとkHとCO2と関連しているなんて~?!

 

アクアリウムのpHは奥が深いのです(*´▽`*)

 

pH値の安定にはgHとkHのアベレージを保つ事と意味合いが同じなのです。

 

pH値にだけ調整しても、一瞬の調整は出来たとしても、継続性の保証はありません。また、何かの要因によりpH値を上昇させることが引き起こった際には、どれぐらいpH値が上昇するのか分からないということになります。

 

KHが適正値のpH値

 

★お問い合わせに関し

私達セラスタッフは、直ぐにご質問に回答できない場合が御座います。このpH値の記事からも分かるように「〇〇〇でpHは下がります」と安易にお答え出来ないからです。お客様の飼育状況、その他の水質など細かく知らなければ危険が伴うからです。

 

お問い合わせの際は、より細かく飼育状況を教えて頂けるとアドバイスがしやすくなります。

 


 

失敗する時の原因を少しご紹介

gHやkHはpHに大きく関わってしまうため、いわゆる「うまくいかない!」状態を生み出しやすいものでもあります。

 

<pH値がうまく下がらない場合>

 

1,gHやKHが何かしらの要因で高いかもしれません!

お使いの製品(餌や液剤や底砂など)にミネラル(gH)の元となる物があったり、元の水道水のgHが高いかもしれません。

 

2,二酸化炭素が不足しているかもしれません!

過度なエアレーション(O過多)により、水中の二酸化炭素が少ないかもしれません。

 

<pH値が何をしても上がらない場合>

 

1,酸性物質の蓄積が原因かもしれません!

有害物質の見落とし、過密飼育、粗悪な餌の給餌、水質汚染、二酸化炭素の過剰添加、酸性物質放出製品が使われている。

これらの場合は、基本的な飼育の見直しが必要です。また、ろ過フィルターやエサなど、問題がないと思われていた部分が問題かもしれません。

 

特に、金魚や大型魚を飼育している方から「pH値が下がる」とのご相談が多く。必ず過剰なエアレーションを行っています。

過剰なエアレーションはなんの為?なぜ必要なのか良く考える必要がありますよ。pH値が下がるから、上げたいためにやっていますか?pH値が下がる原因を解決しなければ危険です。

 

多分半日~1日程度で「パクパク」が始まります。おそらく、過剰なエアレーションをしなければ酸欠になるのだと推測できます。

でも。。。なんでしょうね~ 酸欠ですよね~

(興味があればリンク先の記事をご覧ください)

 


 

アクアリウムは飼育者それぞれに悩みがつきません。

pH、1つを考えても、複数の水質に関わりがある。

でも、基本を知っていれば解決の糸口は見つかるかもしれません。

 

お魚達が幸せで、飼い主もハッピーな水槽ができるのになーとスタッフ一同考えております。

飼育相談ドシドシお待ちしております

 

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